本日、ご紹介したい買取商品はこちら。
若田硯でございます。
はじめて見られる方は「何それ?」とキョトンとしてしまうでしょうが
対馬市においては、誰もが目にしたことのある馴染み深いものです。
若田硯の歴史は古く、その昔、自然なまま硯の形をした奇石が発見された
というのが、若田硯の起こりだと言われています。
若田硯の特徴としまして、硯の原石となる頁岩が層を成しており
石の模様をそのまま活かして造られていることがあげられます。
それから、紫式部が愛用していたという逸話も残っています。
「いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひけるなかに
いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。」
・・・桐壷から始まる源氏物語は、
若田硯をもって書かれたのでしょうか。とてもロマンがありますね。
若田硯は、対馬市のふるさと納税の返礼品にも選出されました。
なんと、ふるさと納税を受けてから、受注生産を始めるという
何とも気の長い返礼品ですね。
周りを海に囲まれた離島において、返礼品は数多くの海産物ですが
その中に若田硯があることは、とても嬉しいことだと考えています。
それほどまでに、誰もが認める対馬の名品でありますから、
もちろん、製造される職人の方々は、やはり名工と呼んでいいでしょう。
もはや数少ない方々と聞いてはいますが
いつか訪ねていけたらいいなと考えています。
ところで、私は小学校の1年生くらいの頃に書道を学んでいました。
書道教室は、私にとっては退屈であったので
チャップリンみたいなチョビヒゲを鼻の下に書き、
真面目に書道をしている友達の横に行き、笑わせるという
くだらないことをやっておりました。
先生には、よく怒られましたが
道具をとても大切にするお方だったなと思います。
先生の硯は、若田硯だったのかな?とも思います。
先生が飼っていたネコの顔を、墨で真っ黒に塗った時には
先生から激怒されたなぁ(笑)
今回、若田硯を買い取らせていただきましたが
お店に飾ってみたらどう?というお客様の提案により譲っていただきました。
感謝申し上げます。